SNH48チームHII出演の香港返還20周年コンサートで気づいたSNH48グループ唯一の広東語曲『紫荊』の意味

上海SNH48チームHIIが香港返還20周年記念コンサートに出演したという、やや香ばしいニュースの実際の映像をどうぞ。

てっきり何かの歌を歌わされるのだと思ったら、持ち歌の『Brand New Love』を歌っている。

出演メンバーは、モンスター(劉炅然)、ナナコ(張昕)、ニーズ(謝妮)、Miyo(楊惠婷)、ルナ(林楠)、ユーちゃん(劉佩鑫)。

『Brand New Love』は去年の第三回総選挙選抜メンバーのオリジナルEP『プリンセス・クローク(公主披風)』収録の、チームHII曲だ。

SNH48はどのように紹介されているかというと、「青春を代表する内地(中国大陸)のグループといえばTFBOYS、香港ならTWINS。でもいまグループを見るならきっとSNH48でしょう」という感じ。

TFBOYSはたしかに内地で人気があるとしても、TWINSはデュオとしては明らかにピークを過ぎているようなのだが。

なおこのコンサート(「夢之夜・青蔥再出發」と繁体字で書かれいる)は政府主催の正式なパーティー(晩会)ではない。政府主催の晩会はこちらで、中国中央電視台CCTVが生中継していた。

チームHIIが出演したコンサートの全編はこちらで、CCTVではなく、上海東方衛星テレビが生中継。

こういう宣伝活動の細かい使い分け(大人に向けたメッセージと、青年向けのメッセージの使い分け)は、最終的に効果があるかどうかは別にして、よく設計されていると思う。

同じコンサートに出演した有名アーティストはどうかというと、チョウ・ビビ(周筆暢)は『愚公移山』という曲を広東語で歌っている。

フェニックス・レジェンド(鳳凰伝奇)も、意図的かどうかは分からないが、サビがすべて「Na Na Na Na」の『年軽主義』という標準語(普通語)の曲を歌っている。

元「F4」の台湾の歌手ケン・チュウ(朱孝天)は、意外にまだまだイケメンな感じ。

で、出演が予定されていたウォレス・フォ(霍建華)は?どうなったのかよく分からない。

ところで、今回の香港返還20周年で、また自分の勉強不足を痛感した。

政府が「紫荊花開20年」というスローガンを使っているのを見て、ふと気づいたのだ。香港特別行政区の旗のあれって、ハナズオウ(紫荊)に似てる。

ウィキペディアには名称はバウヒニアとあり、香港特別行政区の区旗でもあり、香港の象徴で、香港基本法の区旗区章の正式な規定では「紫荊」と呼ばれているそうだ。

もっと早く気づくべきだった、ということになる。これだけ中国アイドルをフォローしておいて、そんなことも知らなかったのかと叱られそう。

広州GNZ48結成一周年記念EP『I.F (Immortal Flower)』の最後に収録されている、SNH48グループとして初めての広東語曲が『紫荆』なのだ。

今年が香港返還20周年で、今年リリースされたSNH48グループの広東語圏の姉妹グループの唯一の広東語オリジナル曲に、わざわざ『紫荊』というタイトルが付けられていた。

このメッセージにもっと早く気づくべきだった。

単に、美しいバラードだなぁ、と思って聴くだけじゃなくて。

そう思って『紫荆』の歌詞を読むと、感動ではなくて、怖くてちょっと鳥肌が立つ。

サビの部分だけ日本語試訳する。

家から離れていった紫荆の花
家に帰って来たら抱きしめてあげる

たとえ世間から
さらに多くの苦痛や偏見を受けても
忘れてしまいなさい

もう一度出発しよう
道沿いに芳しく咲く紫荆の花

あなたと再会して
いっしょに朝焼けが降りるのを
見ることができる
ここからが あなたの家だよ

SNH48チームHIIが出演したコンサートのタイトルは「青蔥再出發」(青春の若々しさからの再出発)で、日本語試訳した歌詞の中にも「重新出發吧」(もう一度出発しよう)というキーワードがある。

実は『紫荆』って、すごい歌だった。