広州GNZ48チームG全曲オリジナル新公演『双面偶像』セットリストと曲解説

広州GNZ48チームGの全曲オリジナル新公演『双面偶像』の特集ページが開設されたので、ご紹介。

広州GNZ48 Team G 『双面偶像』オリジナル公演

左上から、チューチュー(朱怡欣)、ライオン(曾艾佳)、アベル(張凱祺)、ハナちゃん(謝蕾蕾)、soso(張瓊予)、Kiko(李沁潔)、リーロン(黃黎蓉)、あおい(陳俊宏)。
左下から、コーコー(梁珂)、ペイペイ(林嘉佩)、つき(羅寒月)、CK(陳珂)、キツネちゃん(高源婧)、だんご(陳雨琪)、サマー(陽青穎)、陈佳莹(チェン・チャーイン)

テーマは以前同様、夢を追いかけて成長し、脱皮していく少女。ただし「双面」のタイトルどおり、スタイルの違う2種類の楽曲が織り込まれているらしい。

「夢を持って出発する少女たちの憧れと、あらぬウワサの重圧の下、怒りをぶちまける少女…どちらの面も”私”だけれど、もっとも真実の私は、ポジティブなエネルギーに満ちた”私”」とのこと。

SNH48グループの公演はすでに、以前ここでご紹介した『人間規則』もそうだが、キレイ事ばかり表現するわけにはいかない。すぐれて弁証法的なテーマの公演である(←ウソ)。

最大の特徴は、ユニット曲が何と9曲もあること。日本の48系公演の形式から外れている。公演形式の面でもSNH48グループは少しずつオリジナリティを出してきているようだ。公演の形はまだまだ変わっていくかもしれない。

曲目(セットリスト)は以下のとおり。

M01. Hot 了 Day
M02. 初夏の恋(初夏之恋)
M03. Fly
M04. ラウンドアバウト(回旋処)

ユニット曲 Part 1
M05. ドリームカフェ(夢想咖啡庁)
M06. 9 to 9
M07. MC Queen
M08. 双面偶像

ユニット曲 Part 2
M09. メドゥーサの優しさ(美杜莎的温柔)
M10. I’m not your girl
M11. I wanna be your girl

アンコール前
M12. 扎心(ココロが痛い)
M13. 遥かな愛(遥遠的愛)

アンコール
EN1. 合理失控
EN2. Gravity
EN3. Winkend

各曲紹介は以下のとおり。

M01. Hot 了 Day

無理やりカタカナで発音すると「ホット・ラ・デイ」。「パンク・ロックのリズム、自分だけの夏を熱く歌う」とのこと。

M02. 初夏の恋(初夏之恋)

中国語のままのタイトル。「2016年初夏、一群のしょうs所がかつ恋のあの夏を迎えた。GNZ48と恋に落ちたあの夏」。GNZ48結成時がテーマらしい。

M03. Fly

「初心、夢、追求、いちばん心の奥底にあるあの声は、やっぱり仲間たちと飛び立ちたい気持ち。Always be with you」。英語のタイトルを付けるならもう少し凝ってほしい気がする。

M04. ラウンドアバウト(回旋処)

中国語の「回旋処」は回転式交差点のこと。日本語ではラウンドアバウト、ロータリー交差点、環状交差点などがあるようだが、ラウンドアバウトがいちばんカッコイイので仮に採用しておく。

「選択肢はいくつもある。でもどうやって選べばいいの。どの選択肢が正しいの?選び間違えたら何が起こるの?選びあぐねて心の中のラウンドアバウトに立ち止まる、この年ごろ。でも立ち止まるのもまた一つの選択」

ユニット曲 Part 1

M05. ドリームカフェ(夢想咖啡庁)

「夢を持ち続けるには、自分の体を大切にすることも必要。少女がアルバイト先で出会った面白い出来事」

M06. 9 to 9

「朝9時から夕方5時までの生活以外に、友だちと遊ぶのもとても大事。じゃあ夜9時から朝の9時まで遊ぼうよ!」

M07. MC Queen

「さらに美しい風景も、あなたがいなければ、何の意味もない」。このタイトルの「MC」の意味がよく分からない。

M08. 双面偶像

「すべてのことには両面がある。善悪、正しいことと間違い、YesとNo… 天使、悪魔、どう選ぶべき?最後に本当の笑顔になるのは誰?」

今回の公演のタイトル曲。「双面」は『バットマン2』のTwo Faceから来ている可能性が高いので、「トゥーフェイス・アイドル」とでも訳すべきかも。筆者の年代的には『ヤヌスの鏡』だけれど。

ユニット曲 Part 2

M09. メドゥーサの優しさ(美杜莎的温柔)

「メドゥーサは人類を愛してしまったけれど、どう伝えればいいか分からないし、魔法を使うわけにもいかない。あらゆる手をつくしても、やっぱり人類の複雑な感情の交錯は理解できない。最後はやっぱり自分の魔法を使うことを選んだ…」

ウィキペディアによればメドゥーサはギリシア神話、ヤヌスはローマ神話らしい。ヤヌスに関係するテーマの公演にメドゥーサが出てきたので、どちらもキリシア神話だと思ったら違った。メドゥーサはもとは美女だったのにアテナの怒りを買って怪物と化した、らしい。たしかに二面性がある。

M10. I’m not your girl

「私にも私だけの個性があり、私はあなたが想像するような少女じゃない。ましてあなたが望むような少女じゃない」

M11. I wanna be your girl

「少女の片思いはいつも隠しきれない。隠しきれないなら大声で叫ぼう!」

M10.とM11.は対になって二面性になっている。

アンコール前

M12. 扎心

「忠言は耳に逆らい、善意から出るウソもある、良薬口に苦し、放っておけないから気にかける。老鉄説話扎心」

最近流行りのネットスラング「扎心」については中国国営ラジオCRIのこちらの日本語での解説ページをどうぞ

「老鉄」は親友で、もともとは男性どうしの親友にしか使わないらしい。「扎心」は文字どおりには、心に突き刺さること。この曲紹介の最後は「お前の言うとおりだ。その言葉、俺の心に突き刺さるよ」といった感じの意味。

このタイトルは日本語ひとことでは翻訳できないかも。

ちなみに広州GNZ48チームNIII Pany(左嘉欣)の現地のあだ名は、「嘉欣 チャーシン Jiaxin」の発音が「扎心 チャーシン zhaxin」に似ているので「扎心」。

M13. 遥かな愛(遥遠的愛)

「SNSが普及し、愛情関係にはある程度助けになるけれど、人と人の実際の交流はやっぱり大事。科学技術の進歩は人類が距離を超えて連絡をとるのを助けてくれる」

たぶんバラード?SKE48『手をつなぎながら』公演の『遠くにいても』的な曲になるんだろうか。

アンコール

EN1. 合理失控

「誰しも出口は必要、締め切ってしまったら、どうして気持ちを吐き出せばいいの。合理的な範囲内なら、何を言っても構わない」

タイトルの「合理失控」を見て、一瞬「合理主義が制御不能になる」と取ってしまったが、ここでは「合理的な範囲内での制御不能」という意味らしい。これも日本語に訳すのがほぼ不可能なタイトル。

EN2. Gravity

「重力にしたがって落ちていき、地面すれすれに飛んで、重力加速度のパワーに乗って、逆転して飛び上がろう」

言っている意味がよく分からない曲解説(笑)。個人的には宇宙機の「スイングバイ」をイメージしてしまったが、そういうこと?

EN3. Winkend

「Winkして楽しいウィークエンドを楽しもうよ、イェ~」

無理やりな感じの造語、Winkend。

とりあえず上海SNH48チームHII全曲オリジナル公演『Beautiful World』のように、公演全体の編曲の音色がやたらと重苦しい公演にはならなさそうなので、2017/08/11(金)初日に期待。