広州GNZ48チームZ『コード林和西』2017/09/15初日をSNH48原版の写真と比較

広州GNZ48チームZの新公演『コード林和西』が昨日2017/09/15初日を迎えた。

この公演者上海SNH48チームXIIが2016/12/23に初日だった全曲オリジナル公演『コードXII』の改変版。

以下、衣装を比較するために上海SNH48チームXII『コードXII』初日の公式ツイート写真・画面ショットと比較しながらコメントしてみる。

上海版の衣装は途中で改良されており、さらに公演自体が『コードXII 2.0』に改変されているが、どちらも原版の初日どうしで比較する。

全体的に、広州GNZ48チームZのダンスの方がきれいにそろっていて、元気があったことは否定できない。これはチームZ結成当初から、ダンスの先生の指導方法と、当時事実上のリーダーだったメンバー・張心雨の影響も強いと言われている。

また、一部の曲の編曲が改良されていて、平坦なEDMの上海版より楽曲として完成度が上がっている。

M01. XII Say Hi/中泰 Say Hi
M02. 遇見最初的美好(最初の美しいものとの出逢い)

M01の広州GNZ48版タイトルの「中泰」はGNZ48劇場のある高層ビルの名前。歌詞も「中泰 Say Hi」「広州 Say Hi」など、いろいろと遊んでいるのが笑えた。

舞台衣装としてどちらが良いかは意見が別れると思う。ただ、メンバーの踊りやすさでは広州GNZ48版の方が間違いなく優れている。上海SNH48版のようなブーツではなくスニーカーだし、樹脂素材がほとんど使われていので思い切り踊れる。

こういう細かい点にも、衣装の見栄えよりパフォーマンス重視の広州GNZ48の考え方が現れていると思う。

M03. 守護者
M04. Time Machine(GNZ48は広東語版)

広州GNZ48の方はM04が広東語版になっているが、他の曲もそうだが、生放送の弾幕コメントを見ていると、現地の中国人ファンにとって広東語曲はかなり評判がいいようだ。基本的に4つしか声調のない標準語より、声調の種類が豊富なので、独特のニュアンスが出るらしい。日本人の筆者にはよく分からないけれど。

この衣装は上海SNH48と基本的なコンセプトは同じ。ただ、広州GNZ48のチームカラーのピンクを活かしたカラーリングの方が美しいと思う。

HSV色空間でいうと、S(彩度)とV(明度)がそろっていて、結果として黒のラインがアクセントになっている。チョーカーが付いているのもポイント。

こういう細かい作り込みが、広州GNZ48衣装部のセンスの良さ。よく見ないと分からないけれど、パッと見でクオリティーの高さが分かってしまう。

M05. 她和她(彼女と彼女)

これは舞台演出的には上海の方が有利。広州の舞台には昇降式のセリがないからだ。また、広州GNZ48の演出で、背景の液晶画面に広州市街の映像が流れ続けるのは、ちょっとうるさかった。

衣装は好みによって意見が分かれるかもしれない。踊りやすいのは、スカートが短い広州GNZ48版であることは間違いない。なので全体的に広州GNZ48版の方が、元気いっぱい感が出るんだろう。

弾幕コメントで気づいたのは、広州版は両脚とも白い膝上のハイソックスで、スカートも短いので、いわゆる「絶対領域」がはっきり見える。衣装部がわざと狙ったんだと思う。

M06. Love Letter

この曲は上海SNH48チームXIIのハムスター(嚴佼君)版の完全勝利といった感じ。ジャジーな曲調と、広州GNZ48チームZ ナイピン(農燕萍)の元気いっぱいな感じは合わない。

この曲は、チームZのサークル(楊媛媛)がそのうち歌うと思うし、彼女のほうが合っていることは間違いないので、そちらに期待。

M07. 初吻練習曲(ファーストキスの練習曲)

全体的に広州GNZ48の衣装は彩度がおさえめ。この曲も上海は鮮やかな赤だが、広州はチームカラーに合わせてパステルピンク。上海の方がヒールも高くて大人っぽく、広州はメイド服スタイルでヒールも低い。やはり広州の方が踊りやすいのは間違いない。

M08. 都不会(何も出来ない)

この曲の衣装は両者であまりコンセプトは変わらないが、上海の方が良いと感じる人が多いと思う。

M09. 自以為(GNZ48は広東語版)

この曲の衣装は両者でまったくコンセプトが違ったので驚いた。上海版は6人ともベースの色が違っていて、やや戦隊モノっぽくなっている。

広州版は千鳥格子で統一されているが、デザインは一人ひとりまったく違う。千鳥格子なのでパターン(型紙)がはっきり出てしまうが、そこはていねいに作られていて、ダーリン(代玲)やキャンディー(趙欣雨)が着ているワンピースタイプのものなら、普通に市販されていてもおかしくない。

上海版より体のラインがはっきり出るデザインだし、長身のメンバーがそろっているので、上海版とはまったく違って大人っぽい完全に曲に変わっている。これは思い切ったイメージの変更で、やっぱり「さすが広州GNZ48衣装部」と思ってしまった。

M10. Shower Girl
M11. AI進化/天河夢時代(GNZ48劇場のある天河区PRソングで、SNH48楽曲ではない)

この2曲の衣装はこの次の2曲の衣装とどう違うかの方がポイントだと思う。広州版の衣装はチームG『双面偶像の』のアンコール前の曲の衣装とほぼ同じコンセプトで、やや使いまわし感がある。

ところでM11.は広州GNZ48版では曲が交換されている。「天河夢時代」は天河区の公式PRソングで、SNH48楽曲ではない。なので広州版の『コード林和西』に「広州観光PR公演か!」というツッコミが入る。

そのM11.で広州の舞台演出の「そんな手があったか!(还有这种操作!)」が登場した。上の写真のピンクのスニーカーが実はローラーシューズだったという。

それでメンバーが舞台の端から端まで滑りながら、シャボン玉を吹き出すという演出。ローラーシューズは振付け自体に取り入れられているので、このM11.部分だけを見ても面白い。

こちらのアニメーションGIFでよく分かる。MC(トークコーナー)で、チーメイ(劉嘉怡)とくーくー(楊可璐)が二人で滑っていた。

そのうち誰かがズッコケてケガでもするんじゃないかと、ちょっと心配だけれど。

M12. 心跳頻率(心拍数)
M13. 成人礼(成人式)

このアンコール前の2曲は両者でまったくコンセプトが違う。上海の衣装はこの前の2曲と全体的なシルエットがほとんど変わらないが、広州はいきなりチロリアンドレス風になる。

なぜなのかまったく分からないけれど、とりあえずバリエーションがあって飽きないので良いのでは(汗)。

M14. 夢想代碼(夢のコード)(GNZ48は広東語)
M15. Girl Smile/中泰 Smile
M16. 給未来的我們(未来の私たちへ)

アンコール後の最後の3曲の衣装、上海版はブレザータイプの制服、広州版はチームカラーのパステルピンクで、制服っぽけれどコンセプトが違う。

広州版がすごいと思うのは、一人ひとりの衣装のバリエーションの細かさが、上海とは比較にならないところ。

ネクタイがふつうのネクタイとリボンの2種類。ブラウスは、袖が五分袖と四分袖と「キャップ・スリーブ」、カラーが「スタンダード」と「スタンド」。

さらにツーピースと「ジャンパースカート」の違いがあり、ジャンパースカートはポケットつきとポケットなし、かつ、襟ぐりのが3パターンくらいある。ジャンパースカートのインナースカートは、プリーツスカートとフレアスカート。ツーピースはインナースカートなしのプリーツスカート。

小道具の大きなかざぐるまは、広州版はやはりチームカラーに合わせてピンク。舞台の後ろの「GNZ48 THEATER」の文字もピンク色になって、トータルの色合いが美しい。

以上、基本的に上海版と楽曲は変わらないので、ダンスと舞台演出と衣装の違いで楽しむことになるけれど、やっぱり広州GNZ48の方が明るくて元気という印象。上海の劇場は照明を中心にそろそろ全面的な改装が必要かも。