上海SNH48チームNIIオリジナル新公演、『W-KEYAKIZAKAの詩』に酷似していた曲がカット

何と上海SNH48チームNII全曲オリジナル新公演『以愛之名(愛の名において)』のアンコール前の曲、M13.Unforgetabbleが本当に削除されてしまった。

その部分の差し替えに、以下のようなパフォーマンスと差し替え映像が放映された。

また、これとは無関係に、アンコール明けの『光之軌跡』という曲も歌詞とダンスが変更されていた。

先々週、同公演の初日、2日目に起こったことをおさらいしておく。

現地の欅坂46ファン(またはチームNIIがキライなSNH48ファン)が、公演初日の前に、台湾の音楽制作チームのデモ音源が流出した時点で、さっそく中国ツイッター(新浪微博)へ音源をアップ、欅坂46『W-KEYAKIZAKAの詩』に似ていると抗議のツイートをして、拡散された。

ふだん欅坂46なんて全くフォローしていない筆者のところまで届くほど拡散されていた。

その後、現地ユーザが比較の動画を作っていたが、2曲がまったくシンクロしていない雑な作りだったので、筆者も個人的に本当に似ているのか、コード進行と曲構成まで含めて分かるように、比較映像を作って、現地のニコニコ動画のクローンサイト「ビリビリ動画」にアップした。

といっても筆者の影響力など大したことはなくて、放映回数はたった数千回(日本のネット人口換算で数百回)だった。

その後、台湾のこの曲の制作チームが、決してパクリではないという趣旨の、専門的な内容の長文を出した。

そこまでやらざるを得なくなった直接の原因は、劇場の客席で欅坂46のネームプレートを掲げて「抗議」したファンがいて、舞台上のメンバーが公演の最後に泣くという事態にまで発展したことだと思う。

で、昨日2017/10/20がこの騒ぎの後、初めての『以愛之名』公演だった。

トークコーナー(MCコーナー)が終わって、そのまま『Unforgettable』が始まるはずの部分で、上の動画のような「工事中」のパフォーマンスと、メンバーのミーティングの映像が流れ、曲自体はカットされてしまっていた。

「工事中」のパフォーマンスで『シアターの女神』の『勇気のハンマー』がBGMに使われているのは、思わず笑ってしまう秀逸な演出。

この映像にあるメンバーミーティングを真に受けている人はいないと思うが、冒頭部分は大まかにセリフが割り振られていて、例えば、ななし(馮薪朵)のアップのカメラもわざとブレさせている。脚本どおりのドキュメンタリー「風」映像になっている。

そもそもこんなミーティングをレコーディング・スタジオでやらない(笑)。『光の軌跡』の再録音のついでに、反省会のドキュメンタリー「風」映像を撮ったということだろう。

上記の映像はあくまで「PART1」とのことなので、同公演でまだ変更される部分があると思われる。

いずれにせよ、チームNIIはこれから一年弱はこの公演をやることになるので、早めに手をいれる判断をしたのは良かったと思う。

なお、現地ファンからもらったコメントで知ったのだが、『Unforgettable』制作チームはすでに日本側へ楽譜を送付済みらしい。SNH48運営会社としては、日本側と無用なトラブルを避けるために、パクリかどうかにかかわらずこの曲を取り下げたと思われる。

これが秋元康がプロデュースした曲でなければ、単に素人が似ていると言っているだけとして押し通すか、日本側と調整して別の曲と確認をとるなど、他の方法もあっただろう。

例えば、上海SNH48チームXの全曲オリジナル公演『ドリームフラッグ(夢想的旗幟)』の『無可替代』のイントロが、dirty loops『Hit Me』そのまんまなのは有名な話。

これは現地SNH48ファンには周知の事実。こういうパターンなら、相手側からするとSNH48は「屁でもない」存在なので押し通せる。

今回は相手が欅坂46ということで、取り下げるしかなかったのだろう。

個人的にSNH48の運営のやり方としていちばんダメなのは、この間、SNH48の音楽総監が何の説明責任も果たしていないことだと思う。メンバーが舞台で泣くまでの騒ぎになったのに…。