上海SNH48運営会社のハイタッチ跳ばし対応は中国の法律上認められるか?

2017/11/15(水)上海SNH48チームNII四周年記念公演が行われたが、終了後のハイタッチ会で二期生ななし(馮薪朵)がハイタッチを跳ばされた件について。

このファンは事前にハイタッチを跳ばすことを予告し、そのとおりにハイタッチを跳ばし、実際に馮薪朵に手首をつかまれた。

その瞬間はこちら。人の流れがいったん止まっている。

筆者は中国ツイッター(新浪微博)で、中国の法律上、観客が公演の進行を故意に妨げた場合、私人がその人物の身柄を確保する権限があるか質問してみた。

ご承知のように日本では公権力(警察)以外の市民による私人逮捕(ウィキペディア)が認められるケースは極めて限られる。

現地ファンからの回答で最も信頼できると思われるのは以下。

在中国,任何公司都没有扣押以及限制他人人身自由的权利,包括保安,如果遇到窃贼之类的不法分子可以进行一定自由限制并立即报警

中国では、いかなる会社も他人の人身の自由を拘置したり制限したりする権利はありません。保安員も含めてです。仮に窃盗の類の不法人物に出会った場合は、一定の自由を制限した上で直ちに警察に通報してもいいです。

つまり、日本の私人逮捕と同じで、明らかに違法行為をおこなっている人物に出会った場合のみ、私人は一定の範囲でその人物の自由を制限できる。

今回の「ハイタッチを跳ばす」という行為は犯罪ではないので、その人物の手首をつかんで行動の自由を制限する権利は、運営会社にもメンバーにもない。

筆者は馮薪朵の気持ちはよく分かるけれど、どんなに彼女を義憤させる事情があろうと、彼女の行為は中国の法律上認められない。

ただこの現地ファンの回答は、中国の実情をよく示している。中国はまだ法治国家ではないということだ。

今回の馮薪朵の越権行為を運営は今のところ黙認し、劇場内の「治外法権」を暗に認めている。

馮薪朵も李藝彤もファンを捕まえることは問題ないという趣旨の、中国の法律に反した書き込みを削除していない。

上海の劇場に行くのは、意外にリスクが高いらしい。常連ファンと行くのがベストだろう。

中国語が不自由な外国人が一人で行って、たまたま今回のような特殊事情がある公演で、当事者だと誤解されたら、事務所に呼ばれて事情を聞かれるくらいのことはありえる。

少なくとも上海の劇場は、身の安全のためにそう考えた方が良さそうだ。

P.S.
その後、この記事に補足させて頂いたが、外国人は冤罪になる危険性はほぼないので、安心して公演を観に行けるとのこと。