中国版『Produce101』、電車が混むので初のスタジアムコンサート中止します

上海SNH48は今週末の第五回リクエストアワーまで大きなニュースがないので、ロケットガールズの話題。

5日後にせまった初の大型コンサートが今日いきなり中止発表。理由は「旧正月の交通混雑のため」。現地ファンを完全にバカにしている。

↓こちらが公式アカウントのツイート

コンサート中止の理由は「春運」、つまり旧正月前15日から後25日ごろまで中国全土で「民族大移動」が起こる期間で、飛行機や高速鉄道など各種交通機関が混雑するからだ。

中国の今年の祝祭日カレンダーはとっくに政府が発表しているし、「春運」という現象も中国人ならだれでも知っている。しかも旧正月は2/04~10でコンサートの1/19はまだ「春運」が始まっていない。

主催者であるマネジメント会社「哇唧唧哇(WAJI Entertainment)」がウソをついているのは、中国人なら誰でもわかる。

ファンを完全にバカにした言い訳で、現地ロケットガールズのファンからは強烈なブーイングが起きている。

上記ツイートはコンサートのチケットを全額払い戻しするとあるが、当然、コンサートが予定されていた広州市以外の土地から来るファンの航空機などの交通費、宿泊先のキャンセル料は自己負担になる。

コメント欄は炎上し、ツイートから40分間たらずでコメント欄はブロックされた。

ロケットガールズのマネジメント会社は大ブーイングが起こるのを分かっていて中止したわけだ。

おさらいしておくと、ロケットガールズとは、中国三大ネット企業テンセント(騰訊)が韓国Mnetから正式に版権を買い、昨年夏中国版『Produce101』をネット放送、そこからデビューした11人組グループだ。

とくに楊超越というメンバーが良くも悪くも一気に話題になり、SNH48はイメージキャラクターやTV出演など少なからず仕事を取られ、SNH48ファンは危機感をもってその活動を見ていた。

今回のロケットガールズ初の大型コンサートが予定されていた2019/01/19(土)は、くしくもSNH48第五回リクエストアワーと同日、しかもどちらも広州市で開催。

ここからは現地ファンの推測だが、会場の広州国際体育演芸中心という、キャパ1万8000人のスタジアム会場のチケットの売れ行きが悪すぎたからではという説がある。

筆者は個人的にスタジアム級のコンサート開催ノウハウがなく、準備が間に合わなかったのではないかと疑っている。

ちなみに上海SNH48グループの第五回リクエストアワーも広州体育館というスタジアムだが、キャパは1万でロケットガールズの会場の半分しかない。

ただチケットは開催1週間を切ってネットで半額で販売されていたり、売れ行きはそれほど良くない。

それでもSNH48グループの運営会社は、5日前にいきなりコンサートを中止にするような不誠実なことはしない。

今回のロケットガールズのスタジアムコンサートは、彼女たちにとって初の大型コンサートという記念すべき舞台になるはずだったが、逆に大きな汚点になってしまった。

中国の芸能事務所はこのレベルだから、中国で女性アイドルグループが育たないと言えるかもしれない。

逆に言えば、SNH48運営会社は何だかんだ言って中国ではかなりまともな運営をしているわけだ。

ロケットガールズの運営がコンサート中止の発表をした後、中国版『Produce101』をネット放送していたテンセント動画(騰訊視頻)がさっそく上海SNH48第五回リクエストアワーの生放送をツイートで宣伝。

友だち3人にアットマークをつけてリツイートしたら、リクアワのチケットプレゼントというツイート。

このツイートのコメント欄にロケットガールズのファンがWAJI Entertainmentに対する批判を書き込んでいるのが面白い。

テンセント動画は中国版『Produce101』のネット放送で新規VIP会員を獲得し、広告料収入がアップすればMnetからの版権購入費は回収できるわけで、その後のロケットガールズがどうなるかにはそれほど関心がないのかもしれない。

他方ロケットガールズの運営会社WAJI Entertainmentは、彼女たちの活躍で利益を出す必要がある。スタジアムコンサートのチケットが売れず、大幅赤字の見込みなら5日前でもキャンセルする、ということだろうか。

やはりSNH48グループはメンバーが300名以上、姉妹グループが5つの規模で、たった11人のメンバーに依存するアイドルグループ・プロジェクトより、事業としてローリスクなのかも。

さて、今回の件が今後のロケットガールズの活動にどれだけ影響するか。

追記:ロケットガールズのコンサート中止発表の後、半額になっていたSNH48第五回リクエストアワーの598人民元席が336元、424元と順調に値上がりしている。

これは中国で事実上公認されているダフ屋の購入原価になる。つまりチケット販売サイト側がダフ屋の利益を先読みして、販売価格を少しずつ釣り上げているというわけ。

値崩れしていた売れ残りチケットの価格が少しずつ上がり、SNH48運営会社としても売上が増えることになる。