上海SNH48一期生SAVOKI(趙嘉敏)に運営が訴えられた裁判の判決、解約失敗、法的にSAVOKIはまだSNH48メンバー

今となっては紀元前みたいな大昔の話だが、上海SNH48結成当時、タンミン(湯敏)とダブルセンターだったSAVOKI(趙嘉敏)とSNH48運営会社のタレントマネジメント契約解約についての訴訟にようやく判決が出たらしい。

その判決はびっくりする内容になっている。

SAVOKIは違約金をまったく支払わなくていいという判決なのだ。

なぜなら、SAVOKI側はタレントマネジメントは解約済みだと主張したが、判決文でそれは退けられ、まだSAVOKIとSNH48運営の契約は有効と認定された。

つまり法的には、SAVOKIは今もSNH48メンバーだ。

SAVOKIがSNH48運営との契約を解除したければ、もう一度民事訴訟を起こすか、違約金を支払う必要がある。

今回の裁判は原告がSAVOKI、被告がSNH48運営会社だが、仮に今後、大学を卒業したSAVOKIが芸能活動を始めるために、どこかの芸能事務所と契約を結べば、SAVOKI側の契約違反になる。

もしそうなれば、今度はSNH48運営会社が原告としてSAVOKIを訴え、違約金を請求することができる。

上海市虹口区人民法院の民事裁判判決書(2018/08/22)はこちら

今日になってSNH48関連中国5ちゃんねるで話題になっているのは、判決書が昨日になって公開されたかららしい。筆者はそのあたりの中国の情報公開制度はよく分かっていない。

細かく見るとギャラの運営と本人の配分について生々しい数字が出てきて、相当面白いのだが、全文ご紹介しているヒマがない。

たとえば「可愛多」というアイスクリームCMのギャラは40万人民元、SAVOKIのピンの仕事だが、SAVOKIの取り分は3万元。(7.5%)

「魔天記」のイメージキャラクターは100万人民元、参加したSNH48メンバーは10名、SAVOKIの取り分は1.4万元。(1人当たり換算で14%)

ソニーのヘッドホンのイメージキャラクターは70万人民元、参加したSNH48メンバーは38名、SAVOKIの取り分は0.3万元。(1人当たり換算で16%)

グリコのビスケットは120万人民元、参加メンバー16名、SAVOKIの取り分は0.5万元。(6.7%)

ゲーム『上古世紀』は200万人民元、参加メンバー16名、SAVOKIの取り分は2万元。(16%)

SAVOKIの訴えは、タレントマネジメントを解約したのは、タレント活動やレッスンの重度の負荷のため腰にケガをし、2015/06~07にかけて数回受診した結果、活動を続けられなくなったためで、一方的に解約したわけではない、というもの。

運営側の抗弁は、タレント活動は決して激しい運動ではなく、同時期に原告が大学の体育とダンスのレッスンを受けていたことが原因、学業はマネジメント契約の対象ではなく、被告はその責任を負わない等と抗弁。

裁判所はギャラの問題についてSNH48運営会社側は一部を除いて契約に沿って適切に支払っていると認定。契約の有効期限8年についてはSAVOKIは契約時に合意済み。

ケガが原因で活動が続けられなくなった点につき、SAVOKIが違約金の支払いを免れるためには、運営会社側の指定する病院で再検査をし、その診断書を提出する必要がある。

あと面白いのは、判決文にSNH48タレントマネジメント責任者で、SNH48ファンならみなさんご存知の「葉総」、本名・葉盛さんが登場。

SAVOKIの母親とギャラの配分についてアプリでチャットした記録が証拠になるか検討されているが、裁判所はそもそも葉盛にギャラの決定権限が与えられていないとして、証拠としては不採用。

そして「王総」、つまりSNH48グループ社長の王子傑も登場。原告の母親、葉盛、王子傑でギャラや生活補助費について話し合った録音も証拠になるか検討されているが、ギャラの支払いは契約が有効であることが前提との運営側の主張を支持している。

で、最終的に判決の内容は以下のとおり。

SNH48運営会社はSAVOKIに未払いの生活補助費7,000人民元(約11万円)を支払うこと。

SNH48運営会社はSAVOKIにイメージキャラクターのギャラ8万元(約130万円)を支払うこと。

SAVOKIのその他の請求は退ける。つまりSNH48運営会社との契約は解約できない

この判決後15日以内に双方は控訴できるが、していないので、この判決で確定したようだ。

ただし、冒頭にも書いたが、今後SAVOKIが今回の判決に反して、どこかの芸能事務所と契約してしまうと、SNH48運営会社が原告としてSAVOKIに違約金を請求できることになる。

くり返しになるが、今回の判決で、驚くべきことにSAVOKIは法律上はまだ上海SNH48メンバーだと認定された。

なお、過去、逆にSNH48運営会社が原告、元メンバーが被告の訴訟の判決は以下のとおり。

要するに、元メンバーは全員、15万元(約240万円)~50万元(800万円)の違約金を支払っている。(三期生・陳怡馨の違約金が50万元と非常に高額なのは、退団後に「勝手に」タレント活動を始めたため)