広州GNZ48の運営の企画力がすばらしすぎる件。
2016/11/04(金)、11/05(土)と2日連続で、SNH48第三回リクエストアワーBest50挑戦公演。元のタイトルは『Bravery・挑戦B50 主題特殊公演』と、SNH48グループの公演にはめずらしく、ストレートに英単語(「勇気・大胆」の意味)が使われている。
男装公演の予告編動画の中国語・英語2か国語字幕が、言っている内容がまったく違うというネタを、先日ここでご紹介したけれど、広州GNZ48の運営の知的レベルは高そう。
この公演、運営としては、主力メンバーが上海で開催されていたSNH48第二回ファッション大賞に参加して不在なので、通常の公演(チームG全曲オリジナル公演『心の旅程』、チームNIII『僕の太陽』)ができないという現実的な事情があった。
それでも広州のファンを動員するには、ということで、主力メンバーが不在にもかかわらず、ある意味、開き直りだけれど、希望は捨てない「無謀な挑戦」をするというテーマの公演。
ユニット曲は、曲が終わるたびにメンバーがファンに投票を呼びかけるという形式。
以下、ソロ曲だけをピックアップしてご紹介する。いちばんすごかった曲は最後にご紹介。
まず公演曲の広東語バージョンを2曲。SNH48がすでに中国語で上演していたものを広東語で歌っている。
やっぱり広州の現地ファンにとって広東語は特別な意味をもっているんだなぁ、と感じさせる。
↓チームNIIIちんゆー(陳欣妤)『ロマンスかくれんぼ』広東語版
↓チームNIIIシャオシー(馮嘉希)『木偶(あやつり人形)』標準語・広東語ミックス版
『木偶』はSNH48チームNII全曲オリジナル公演『専属派対(僕らだけのパーティー)』のソロ曲で、チームNIIではカチューシャ(李藝彤)が本物のロリータ・ファッションを衣装として歌う。
シャオシー(馮嘉希)のロリータ・ファッションは、北京BEJ48チームJが上演中の同公演と違って、衣装部の作ったものではなく、本物。彼女は私服でロリータ・ファッションのワンピースを持っている。
SNH48グループのMCでは、たびたび中国語の方言が話題になるけれど、なかでも広東語が特別なのは、香港が中華圏エンタメの黄金時代だった頃へのノスタルジーもあるかもしれない。レスリー・チャンとか、ジャッキー・チュンとか。
↓チームNIIIチェンチェン(劉倩倩)『落下傘』
『落下傘』はSNH48チームSII全曲オリジナル公演のソロ曲で、SNH48チームSIIでは一期生の歌姫CC(徐晨辰)と二期生みらい(蔣芸)が歌っている。
すでに北京BEJ48チームB、広州GNZ48チームGがお下がり公演として上演していてい、北京BEJ48チームBではMIMI(陳美君)、広州GNZ48チームGではCK(陳珂)が歌っている。
広州GNZ48チームNIIIは今のところ『僕の太陽』公演だが、チェンチェン(劉倩倩)はこの曲に見事にハマっている。
↓チームNIIIナンシー(陳楠茜)『虫のバラード』
AKB48チームK『逆上がり』公演曲で、今までSNH48チームNIIでは最初にキクちゃん(鞠婧禕)、チームXでは炭酸(張丹三)、その他にもたくさんのメンバーが歌っている。
ただ、ここまで力強い演技をしながら、あまり浮ついて見えないのは、SNH48六期生としては素晴らしい実力だと思う。
↓チームGリーロン(黃黎蓉)『愛しさのアクセル』
彼女はGNZ48として初めて募集したメンバー、GNZ48一期生(SNH48七期生相当)。
この曲はAKB48チームA『目撃者』公演曲で、中国ではSNH48チームNIIが『前人未到』という名前で上演した。そのときはユーミー(趙粵)が踊って、最後の間奏で、オリジナルの振り付けにはないスピンで何回転するかが、AKB48にはない現地ファンの楽しみの一つだった。
その後、SNH48や姉妹グループ含めて、この曲を踊ったメンバーはたくさんいるけれど、ユーミー(趙粵)意外はオリジナルの高橋みなみの振り付けで、はっきり言って「余興」的な印象。
唯一、チームNII二期生の雨ちゃん(徐言雨)が、大島優子の和装バージョンをあえて上海の星夢劇院で上演して、退団せざるをえなくなった(というか退団を決意していてあえてやった)のが例外。
筆者は、大変申し訳ないけれど、リーロン(黃黎蓉)は可愛いルックスで売るだけのメンバーだと思っていた。今まで広州の星夢劇院のパフォーマンスも、基本的に可愛い、中国語で言えば「売萌(萌え売り)」路線が基本だった。
ところが、今回の公演でいきなりソロで登場してこの曲を踊り、しかも最後のスピンの部分で、ユーミー(趙粵)がベストコンディションで出した「記録」の10回転を、軽々とやってしまっている。(スローで再生して回転数を数えてみると分かる)
えっ!?リーロン(黃黎蓉)ってこんな実力派だったのか!と、現地ファンも驚いたのではないか。
今回の公演に「Bravery」というタイトルが付いているのは、結成当初から広州GNZ48は、北京BEJ48よりも「顔面偏差値」が低いと言われていた。
SNH48第三回総選挙結果でも、北京BEJ48からは3人が48位以内入っているのに、GNZ48からは元SNH48五期生で広州に移籍したチームGエースのレイレイ(謝蕾蕾)1人だけ。広州GNZ48はスタート地点から不利な立場にある。
しかも第三回リクエストアワーは、第三回総選挙の投票にお金をつかいまくった現地ファンが、さらにお金をつぎ込んで投票するだけの余裕と組織力のある応援会が有利。
できたばかりの姉妹グループには圧倒的に不利だと、やる前からわかっている。
だからこそ、あえて勇気をもって、無謀にも(bravery)、第三回リクエストアワーBest50に入選するための挑戦してやろうというのが、今回の特別公演の背景になる。
主力メンバーを欠いている状況を利用して、リーロン(黃黎蓉)のようなメンバーにチャンスをちゃんと与える。
GNZ48の運営は、ただ者ではないです。