SNH48一期生の主要メンバー、ドンちゃん(董芷依)退団宣言

また一人、SNH48一期生の主要メンバーが退団することになった。

入団前からAKB48系グループの大ファンで、宮澤佐江、鈴木まりやと日本語での交流をスースー(陳思)とともに担っていた、ドンちゃん(董芷依)だ。

ドンちゃん(董芷依)は中国ツイッター(新浪微博)の個人アカウントを2013/09/02 21:15のこのツイートで再開していたらしい。

2013/11/10深夜の、添付画像による長文ツイートを日本語試訳する。ふだんのツイートと違って中国語が難しいので、完全に正確に訳せている自信はないが、全体の意味は伝わると思う。長文で読みづらいので、適当に改行を入れた。

では試訳スタート。


言いたいことはたくさん、でも何から話せばいいか分からない。

まず最初に、歌について。

総括のこの手紙に、みんなにプレゼントしたい歌を一曲入れたいんだけどみんな覚えてるかなw それは私がいつか舞台でこの歌で幕引きをしたいと想像していた曲。

あの時はこの望みが最後に実現しなくても仕方ないと言ったけど、これからは本当に実現するチャンスが全然なくなっちゃった。

だからとくに劉圈圈先生にお願いして、最後の最後にこの曲を私のために録音してもらった――『海闊天空』。この曲は私にとってずっとある種、心のエネルギー源のような存在だった。

ここのところ休みもあまり取れなくて、慌ただしい中で録音+ミックスに1時間ほどしかかけられずに急いで制作したけど、できるだけまじめにまじめに歌った。それでもたくさん修正しきれないところがあるけど >< 勇気を出して公開するね、みんな嫌いにならないで TwT [audio mp3="/media/members/dongzhiyi_haikuotiankong20131111.mp3" preload="yes" controls][/audio] (訳注:BEYONDという中国のロックバンドの『海闊天空』をドンちゃんがカバーした録音。広東語。タイトルは、考えること、語ることが自由に広がっていく様子の意味) まず、深くお詫びします。 ごめんなさい、みんなの信頼を裏切って。(そしてずっと私を励まして慰めてくれた私の小天使も裏切って。もし私が最後までためらっていたとすればそれはあなたのため。でも今日最後のボトムラインをもう突破してしまった。そのすべてを学費と試練だと思ってねw 私が先月存在しなかったんだと思って。道はまだ長い、私はしっかり頑張る、そしてあなたがいちばん頼りになって、いちばんかけがえのない存在になっていく様子を遠くから見ているから。あなたがいれば大丈夫、私はそう信じてる。ごめんなさい。) それから、みんなありがとう。とってもとっても感謝してます。 以前、誰かが私に言ったのは、ありがとう、ごめんなさい、あなたを思ってるとか、こういう言葉はじつはむなしい言葉だってこと。いつも社交辞令として形式的に言うだけの挨拶の言葉かもしれない。でも、例えばある人はこう言ってくれた、「毎日あなたの写真を見てるよ。」、そう言ってくれるとどれだけ思ってくれてるかすぐ分かる。 だから私もいろいろ考えて、こういう表現で、みんなに少しでも私の薄っぺらで無力な「ごめんなさい、ありがとう」とかの言葉から私の気持ちを感じ取ってもらえればと思う。でも言いたいことがたくさんあって、頭が混乱してる。 この2日間たくさんの気持ちを次々と書き留めてきたけど、全部削除してまた最初から書き直した。そのくり返しで、とうとうノートに書いた大量の言葉は、本当に言うべきときが来たら逆にあまり言いたくない気持ちになった。 私は自分から何かを否定したいとは思っていないけど、自分を守る権利と、自分の考えを書く権利はとっておきたい。言いたいことを穏やかに言葉にして、それから空気の中に消えてくれればいいなと思う。 みんな私が入団した当初に語った夢のことをまだ覚えているかな。そう、人によっては簡単に見えたり、賢い夢に見えたりするかもしれないけど、確かに私の初志の全てが含まれていた。 自分が大スターになるなんて思ったこともないし、なれるとも思わない。ただAKBに対する熱狂だけだった。 例えば「本部のメンバーに会えるかな」とか、「入団したらスタッフ価格でグッズを買えるかな」とか、いちばん重要なのは「48系グループは中国では違ったものになっちゃうんじゃないか」とかいったヘンな考え方だけで、勇気を出して最後の1か月でSNH48のオーディションに応募した。 最初はちょっと試してみるだけという気持ちだった。 たとえば、最終選考の質疑応答のとき、誰かがこう言ったのが聞こえた、「まさか20歳を過ぎてまで私に劇場とかで歌ったり踊ったりさせるわけですか」(そのとき麻里推しとしては膝に矢を受けて流血した気持ちになったよ = =) それから、「どうしてこんな聞いたこともないようなグループの路線で行かなきゃいけないんですか?もしあのXXみたいに路線変更するなら、参加することを考えてもいいです」とかいったあれこれの質問が、先行きが良くない声とともにだんだんと強くなってきた。 でも、とにかくどうすればいいのか分からない時もあった。夜一人で物思いにふけって、白叔(訳注:SNH48支配人)に質問しに行ったことがあった。 じっさい私ってダメですよね、メンバーみんなの中で後ろから数えた方が早いですよね、他のスタッフとも話してそう思ってるんでしたら、私をクビにして下さい遠慮はいりませんからとか…… そしたら白叔に叱られて、たのむから自分にもっと自信を持ってよ、そんなのは耐えられない、君はもう少しライオンみたいに強い子じゃなかったのかい、って言われた。 (PS 以前はこういう話の仕方をちっともおかしいとは思ってなかったのかもしれない。だからその後になってもまだバカみたいに他人が「何かあれば何でも私を通してくれればいい」という言葉を信じてた、その結果が……AKBファンの思考様式って、人によってはやっぱり理解しづらいのかなハハ。) だから今までずっと、グループがゆっくりと軌道に乗って来て、私も以前は乗り越えられないと思い込んでたことも乗り越えてきて、最初に言った夢も、もう3回も実現した。 佐江さん、まりやさん、梅ちゃん、咲子さんなどなど、まぶしい人たちの後ろから眺める景色、ダンスをしているときの気持ちは、本当に一生忘れられないことだね。 でもそれで私は自分が満足したから、歩みを止めるということでは決してない。 以前、いちばん卑屈になってたときには「同じ舞台に立つ夢が実現したら意思をはっきりさせるためにやめよう」なんておかしな考え方をしたこともあった。 でもこの道を歩むことでみんなの笑顔と応援をもらえて、お母さんの期待と励ましもあって、自分の極限に一回一回挑戦して、すべてが私にとって捨てがたいものに変わった。 でもその後、マーフィーの法則みたいに、どうしても対応できないことがだんだん増えてきた。48系グループのメンバーとして、それでも48系グループを軽視したりおとしめたりする声に対しても、どうやって慣れるか、どうやって同調するかをマスターしなきゃいけなかった。 このレッスンはちょっと難しかったみたいで、マスターできなくてもマスターしたいと思えなかったよ。 もし心の中にあの信念がもうなくなってしまったら、自分はただの焼き豚と何も変わらない。ドンちゃんのわがままだと思う存分言ってもらってかまわないよ……私は否定しない。 でも私が思うのは、自分のやり方は「初心忘れるべからず」という言葉を台無しにはしていない、決して後悔していないということ。あの日のツイートに書いたように、永遠に夢と尊厳は忘れない。 これからは、私は次の目標にむかって懸命にがんばる。 グループの中で学業と仕事を両立しているメンバーのことが、ずっとうらやましかった。毎日歌とダンスのレッスンをしてもちろん忙しいけど、ずっと勉強しないのは本当に落ち着かなくて、まるで樹の枝が日々枯れていくみたい。 しかも、私がずっと決めていたのは、どんな分野であっても、自分の価値を絶えず高めて、より多くのことを理解するのが必要だということ。こういう考え方は自分にとってもグループにとっても良いことしかなくて、悪いことはないと思う……そう思うよね? そのうえ両親が一年ずつゆっくり年をとっていくのを見て……父親は世代が世代だから、こういう芸能界みたいな華やかなことよりも、学業はもっと重要だという考え方。それで、私は小さな頃から勉強のよく出来る親戚のお兄さんたちと比較されながら育った。 今まで、彼らは何も言わなかったけど、私は子供の頃から今までずっと、彼らから学び取る姿勢でいて、それで気づいたのは、わたしのいろんな決心を無言で応援してくれている彼らを少し安心させて、落ち着かせるようなことも少しできるかなということ。 そういうわけで、今年の夏に学業と仕事の両立のことを考え始めた。じつは私は物事が成功する前に口に出すのは好きじゃないけど、今は説明する必要があるよね。 今でも覚えているけど……いつもすごく昔のような気がする。この決心をしてスタッフの皆さんに言ったら、みなさん敬服して喜んで下さった。 私が時間的なスケジュールを憂慮しているのを聞いて、それに上海では私の教材に合った先生を見つけるのが難しくて、他のメンバーと同じようにふだん学校に通うこともできないと分かったとき、すぐに胸をたたいてできる限り私のために調整できるようにすると言ってくれた。 自ら家庭教師になって数学などの補習をするとも言ってくれて、結局、私は数学がぜんぜんダメだから。あのときは本当に感動したよ、理解され信頼されている自分は幸運すぎると思った……。 だって見る角度が違うでしょ。たくさんの事が起こったけど、それらが良かったのか悪かったのか、むやみにみんなと議論するのは、しばらくの間はまだ難しい。 だけど、心温まることもたくさんたくさんあって、そういう事なら逆にいつでもおおっぴらに話す方が感激するよね。 以前、外の世界のみんなの話の中で、もう一人の自分がだんだんとひとり歩きして、落ち込んだり、戸惑ったりして、すごくつらくて、何度も辞めたいと思ったとき、そういう心温まることが知らず知らずのうちに私を前進させてくれたのは確かだから。 でも、想像もしなかったけど、たくさんの事が変わってしまって、私の人生観、世界観、価値観の中でさえも、正しい事は一つひとつ全て変わってしまった。 学業に対する私の希望は、私の私利私欲のためで、グループのためにならないと見なされるようになった。 最後には、みんながおしゃべりしたり休憩したりスマホで遊んでいる時間を利用して、私が数学の教科書を読むことさえ、公共の場でわざと見せつけて、自分が頭のいい人間だと天下に告げ知らせたいんだって事にされてしまって…… 一年間、積み重ねてきたいろいろな事がつぎつぎと無視され、否定され、曲解され……改めてよく考えざるをえない時が来たと思ったよ。 いま、私は改めて、自分の愛するものを追いかけて、仲間たちとの距離を努力して縮めようと決心した。 この目標はアイドルになるみたいな、偉大な目標ではないかもしれない。たぶん芸能界のような観点からではなく、ある種の角度から見れば近道ということになるだろうと思う。 でも、私は書物はきっと人を裏切らないと信じているし、物事を学ぶことは永遠に自分のためになると思っている。数年後、私がもとどおり新社会人として新たに仕事を始めるとしても、そしてもっと簡単じゃない事に出会うとしても、私の気持ちは落ち着いていると思うよ。 でもね。でももうみんなと会うことが難しくなると思うと、自分がこんなに多くの愛と信頼を裏切るような一人の反逆者みたいなものだと思うと……董芷依(ドン・チーイー)は何て悪くて、何てヒドいやつかと思うよ。 みんなのために何ができるだろう、どうすれば償うことができるんだろうね。そもそも自分が作った借りが、どれほど重いものか想像すらできない。ごめんなさい。本当にとてもとても申し訳ありません。 もしできることなら、みんなのドンちゃんのことは忘れて下さいね。 いま気持ちを良い方向に整えて再出発するけど、道は平坦じゃないかもしれない、でこぼこ道かもしれない、華々しくないかもしれない。 未来に何が起こるかはまだ分からないけれど、今は自分だけの生活のことになるから、もうみんなには何の影響も与えないよね。持ちこたえられるかどうかの是非は人によって考えが違うだろうけど、しばらくはもうみんなの応援を得られる立場でなくなることは確かだね。 もしできることなら、私もみんなと友だちのように付き合いたい。 これからもいっしょに情報提供し合ったり、いっしょに楽しく笑ったり、いっしょに理想を言い合ったり、いっしょにSNHがますます良くなるところを見ていたいな。 (私はむちゃくちゃな人がいたり、むちゃくちゃな事があったからといって、SNH48自体への愛を捨てることはしないし、可愛い彼女たちを信じることをやめることもしない)。 この中国ツイッターのアカウントは、以前からもうたくさんの人が知っているから、いっそのことここでツイートすればいいと思った。今後も自分の思うようにこのアカウントを続けるけど、万が一……決して私のことが嫌いだからって、コメント欄を荒らしにこないでね >< 夢は汗の中に 少しずつ咲いて行く花。冷たい水を注がれてしなびて、ただの一撃にさえ耐えられなくなっても、冬を越せば、また枝の先に這い上がるよ。 ごめんなさい。ありがとう。これからもよろしく。 私はやっぱりあの冷静な董芷依(ドン・チーイー)です。


参考までに原文の画像を転載しておく。