広州GNZ48チームZ公演『三角関数』最後の未公開曲で全ての謎が解明

広州GNZ48チームZ全曲オリジナル公演『三角関数』で、ついに最後の未公開曲「2028年2月30日」がお披露目された。

この公演は、48系公演の全16曲という決まりを脱して、4曲はユニット曲か全員曲の選択肢があり、11曲目は3曲のうちから1曲の選択肢。

合計2x2x3=12パターンが毎回ファン投票で決まるという、定期公演では48系グループ史上初の複雑な構成になっている。(合計すると楽曲数は20曲からの選択)

初日2018/01/12(金)以来、唯一公開されていなかった11曲目の全員曲3曲「2019年2月28日」「2024年2月29日」「2028年2月30日」のうち、唯一実在しない日付の曲「2028年2月30日」が、やっと2018/02/10(土)公開された。

↓『三角関数』公演 M11「2028年2月30日」

メンバーがいったん劇場外のハイタッチ会の場所に出て、カメラでメンバーを追い始めるところから始まる。ネット生中継の観客には見えるが、現場の観客にはたぶん舞台両脇の液晶画面でしか見えない。

メンバーたちはこのまま劇場内に入って舞台まで歩き、その後は舞台上でパフォーマンス。

目新しいのは曲始まりの演出だけか、と思ったら、その後面白いことが起こる。

舞台に上がるとツーコーラス目のAメロから始まるが、そのときメンバーがM05~09までのユニット曲のメンバーが順に舞台中央で、ユニット曲のサビの振付けで踊るのだ。

例えばM05.専属位置(あなただけの場所)という曲を歌う4人が、サビの振付けを再現する。

↓こちらはM11.「2028年2月30日」の方。

↓こちらが元のM05.「専属位置」のサビ。

この調子で各メンバーが自分のユニット曲の振付けを順番に踊っていく。

その理由は、このM11.の3パターン「2019年2月28日」「2024年2月29日」「2028年2月30日」のそれぞれの曲にテーマがあるため。

まず「2019年2月28日」はとにかく前向きで明るい曲。

サビの歌詞は、「次の1ページはもっと素晴らしい/青春のノートは余白なしに/カラフルに染め上げられている/卒業して何が起こるか分からない未来を迎えよう/もっと刺激的な冒険が/期待いっぱいで君を待ってる」

次に「2024年2月29日」が4年前の希望を裏切られた絶望の曲。

↓こういう振付けが出てくる。

この曲はイントロの振付けが卒業写真から始まり、曲の最後で卒業写真に巻き戻すリバースの振付けになっており、歌詞の中にユニット曲M05~M09までのタイトルがすべて現れる。

サビの歌詞は、「そう あなたに過ちはない/すべて私の過ち/なぜ二人はこんなに結末になったのか/すべて私一人で受けとめる/世界中が私を裁き 攻撃したっていい/もうこれ以上話すことはない」

「2019年2月28日」の1年後、2020年2月29日に何らかの悲劇があったことになる。

今回ようやく公開された「2028年2月30日」のテーマは、何も恐れない前向きな青春、それを裏切られた悲劇の両方を乗り越えて、「人生なんて一つの旅にすぎない」というある種の達観になっている。

サビの歌詞は、「No matter what you do/次の交差点でまた出会ったとしても/以前のようにハグし合って/おたがい温かく微笑むことができる/No matter what you do/傷を癒やすには時間がかかる/でも忘れないで/涙をぬぐって前に進み続けることを」

この達観はアンコール後の15曲目「Zen(禅)」という16人曲のテーマにつながっている。

そしてツーコーラス目後の間奏の振付け。

バラバラに見えるが、これも各ユニット曲の振付けのくり返し。左からM05.専属位置(あなただけの場所)、M06.同行、M07.Universe、M08.NaCl、M09.就差一点点。

さらに最後のサビのリフレイン8小節には、M05からM09までのユニット曲の振付けが順番に登場する。

つまり、サビの部分の振付けは、ワンコーラス目は劇場に戻ってくる部分、ツーコーラス目はこの曲独自の振付け、最後のリフレインはユニット曲の振付けの統合と、ものすごく凝った構成になっている。

となると、なぜ冒頭、劇場の外から劇場の中に入ってくる演出になっているのかが分かる。

単に観客のすぐ近くを通るファンサービスではなく、劇場が象徴する懐かしい過去、始まりの場所に戻ってきた、という意味なわけだ。

ということは、ファン投票でこの11曲目が何になるかによって、ユニット曲M05から、ユニット曲か16人曲の選択肢があるM13まで、意味全体が変わる仕掛けになっている。

未来への純粋な期待なのか、現在から過去を回想した絶望なのか、過去の回想から未来に向けた新しい一歩なのか。

やっぱり広州GNZ48のコンテンツのコンセプトを考えている人間は、頭が良すぎる。

ファン投票で12パターンが決まるというのは、観客を飽きさせないためだけの演出かと思ったら、すべてに意味を読み込めるようになっていたのだ。

ちなみに今回ようやく公開された「2028年2月30日」は、機器のトラブルで冒頭の劇場外の手持ちカメラの映像が放映されなかった。

そのため全16曲が終わった後にやり直したのが一番上に貼り付けた動画。

失敗バージョンはこちら。

失敗した演出を、公演終了後にもう一度やり直すところに、広州GNZ48運営会社の良心がよく現れている。

これだから広州GNZ48ファンはやめられないわけです。