上海SNH48今年のドキュメンタリー『砥砺前行』で運営のチームFt推しが明確に

上海SNH48運営会社がファンから早く公開しろとせっつかれていた、今年2018年版のドキュメンタリー『砥砺前行』をようやく公開した。「砥砺前行」は勇敢に前進するといった意味。

ただあまり評判は良くないようだ。1時間じゃ短いというファンもいるが、一昨年2016年『少女のバベルの塔』も1時間だった。短いと言うより、今年の脚本が平板すぎて面白くないのは確か。

以前のドキュメンタリーは、ファンと私的に連絡を取ったメンバーが処分を受ける場面など、かなりネガティブなエピソードも紹介されていたが、今年のドキュメンタリーは前向きなエピソードばかりでやや退屈だ。

取り上げようと思えば昨年2017年末にSNH48二期生メンバーが公式アプリ「Pocket48」で問題発言をして、現地ファンが真っ二つに分かれ、一部の運営スタッフまでそのメンバーについて「アイドル失格」という問題発言をして処分されたことがあった。詳しくはこのブログのその時期の記事をさがして頂ければわかる(汗)。

ただ、このエピソードを取り上げると、今回の総選挙でほぼ間違いなく第1位になるこのメンバーをおおっぴらに非難することになり、さすがにシャレにならないし、対外的にSNH48グループ自体の社会的評価を落とすことになると考えたのだろう。

SNH48運営会社も規模拡大にともないますます社会の視線を気にする必要が出てきて、ネガティブな面を出せなくなったということかもしれない。ドキュメンタリーの内容が退屈になってくるのもやむを得ない。

今回のドキュメンタリーは二言で要約できる。

やっぱり運営はSNH48チームFt推し。
SNH48チームXはこの一年何もしてなかったの?

今年2月の第四回リクエストアワーで発表されたチーム間のメンバー入れ替え、いわゆる「大組閣」が大きなトピックになっているが、この点についていちばん時間を割いて紹介されているのは、新たに結成された九期生中心のチームFtだ。

冒頭に第四回リクエストアワーの会場設営の裏側を紹介する部分で、SNH48六期生ジェニー(孫珍妮)が登場するのは、明らかに運営会社が2000年以降生まれのメンバーの中で彼女を推している証拠。

その他、解散されたチームXIIからチームHIIに異動したシャンシャン(姜杉)や、派生ユニットとして7SENSES、BLUEV、HO2などが紹介され、チームXメンバーについてはほぼまったく触れられていない。

そりゃチームXファンが文句を言うのも納得だ。こういうふうに毎回忘れずツッコミどころのある作品を作ってくれるSNH48運営会社って素晴らしい(もちろん皮肉)。

なお姉妹グループのドキュメンタリーは別途、姉妹グループの運営会社が制作しているらしいので、そちらの公開も楽しみにしたい。

ところでSNH48運営会社はほぼ同時に、通りすがりの人にSNH48グループと総選挙というイベントを分かってもらうための入門動画もリリースしていて、これが笑える。

冒頭ロケットが出てくるが、当然これは中国版『Produce101』から結成された女性アイドルグループ・ロケットガールズへのあてつけ。

同グループのツートップ、韓国・宇宙少女のメンバー、ミギ、ソニのマネジメント会社Starshipと番組制作側のテンセント(騰訊)が契約問題で対立しており、正常に活動を続けられるか先行き不透明になっている。そのためSNH48運営会社の「余裕の」ジョークといったところか。